’ミツデイワガサ’-Spiraea blumei-
’ミツデイワガサ’を育てるにあたり、知っておくと役立つ『基本的な情報』や『育てかた』、『苗を販売しているお店』など等についてご紹介します。
ミツデイワガサとは-Spiraea blumei-
ミツデイワガサは、春先にコデマリのような真っ白な小花を傘のように咲かせる、落葉小低木です。
柔らかな小さな葉の先が3つに分かれていることから『三ツ手岩傘』と呼ばれるようになりました。
コデマリは生育旺盛で、翌年になると一回り以上株が大きくなり、何度剪定しても新しいシュートが出てきて、どんどん巨大化していきますが、ミツデイワガサは、コデマリと違って成長がとてもゆっくりです。
ミツデイワガサは、小さな鉢でも育てることができます。
自由にどの枝でも剪定ができるので、小品盆栽としても楽しめます。
基本的な情報-ミツデイワガサ
ミツデイワガサを育てる際に、参考となる基本的な情報は次のとおりです。
種類
バラ科シモツケ属
耐寒性低木
落葉樹
学名
Spiraea blumei
(スピレア・ブルーメイ)
開花時期
春
4~5月
植付時期
落葉期の2~3月 ごろ
秋 10月~11月・12月ごろ
樹高
50cm~1.2m
樹形
半直立の枝が横に伸びやすい。
コデマリのような樹形をしていますが、繊細な雰囲気があります。
剪定によって小さくできるので、盆栽でも楽しむことができます。
耐寒性
強い
耐暑性
強い
成長速度
ゆっくり
コデマリ(一重咲・八重咲)と比較すると、とてもゆっくり
根の張り
根は、浅い部分に広く張ります。
庭に植える際は、穴を大きめ(深さ30cmほど)に掘ります。
堀った庭の土に、3割程度の量の腐葉土またはバーク堆肥など入れてよく混ぜ合わせ、植えつけます。
花芽の時期
夏
来年の春に咲く花の花芽ができます。
花をたくさん咲かせたい場合は、秋以降の剪定は、不要な枝を抜く程度にしましょう。
自生地
福島以西の日本海側
ミツデイワガサの育てかた
植付場所
ミツデイワガサはとても強健な植物です。
明るい日差しがあって、水切れをおこさない場所であれば、どこでも育てることができます。
植え替え/移植
鉢植えの場合:
鉢植えの場合は、2年に1回程度を目安にして、植え替えをします。
鉢からミツデイワガサを抜き、表面の土と根の周りの古い土を軽く落とします。
一回り大きい鉢に、新しい用土を入れて植え替えます。
同じ鉢を使う場合は、古い土を軽く落とす程度では、新しい用土を入れるスペースが足りません。
もう少し古い土を落としてから、鉢に新しい用土を入れて植え替えます。
庭植え(地植え)の場合:
植え付けの際は、30cmほど穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土またはバーク堆肥などを3割程度混ぜてから、植え付けるとよいでしょう
用土
鉢植えの場合:
鉢植えの場合は、水はけのよい土にしましょう。
鹿沼土などを混ぜるとよいでしょう。
鉢植え用土の例
例1)鹿沼土4+赤玉土4+腐葉土2(まはたバーク堆肥2)
例2)硬質鹿沼土+硬質赤玉土+軽石の小粒
庭植え(地植え)の場合:
土は特に選びません
肥料
春
3月ごろ:芽が出る前
5月ごろ:花が咲いたあと
秋
油かすなどの有機肥料か、緩効性の化成肥料を置き肥しましょう。
病害虫
特にありません
管理方法
日当たり
日光を好みます。
明るい半日陰でも育ちます。
水やり
水を好みます。
表土が乾いたら、たっぷりと水やりをしましょう。
水が少なく乾燥すると、下葉が落ちて枯れてしまいます。
夏場の水切れには注意しましょう。
開花後
花が咲いたあとは剪定の適期になります。
剪定
剪定時期:
剪定時期は花が咲いたあとの、初夏がおススメです。
夏には、来年春に咲く花の『花芽』ができます。
花をたくさん咲かせたい場合は、秋以降の剪定は、不要な枝を抜く程度にしましょう。
剪定箇所:
基本的には、どの枝でも剪定できます。
細くて混みあっている枝を切ると、風通しがよくなります。
伸びすぎたところをカットすると、枝が増えていきます。
花の咲いた枝を切ったり、花後に長く伸びた枝(シュート・新枝)を切り戻します。
形を考えながら、整えるように切るとよいでしょう。
春夏秋冬のすがた-ミツデイワガサ
ミツデイワガサは耐寒性のある低木落葉樹です。
このため、春夏秋冬それぞれの季節ごとに姿が少しずつ変化していきます。
以下は季節ごとの目安になります。
なお、栽培地域や、その年の気候によっては開花が早かったり、時間がかかったりします。
早春
枝だけの姿から、葉が芽吹いてきます。
『枯れたかもしれない』と気になっていた冬から解放され、新たな芽吹きにホッとし、これから始まる百花繚乱の訪れにワクワクし始める季節です。
春
葉が茂り、花が咲きます。
夏
葉だけが茂っている状態です。
初めて迎える夏は『なぜ花が咲かないんだろう』と感じることでしょう。
それは、ミツデイワガサは『春』しか咲かないからです。
花は来年の春まで待ちましょう。
秋
葉の色が緑から、黄色・茶色が混じり始め、次第に葉が枯れていきます。
冬
休眠します。
葉が落ち、枝だけの姿になります。
初めて迎える冬は『枯れたのではないか』と心配になり、それが早春まで続きます。
ミツデイワガサを販売しているお店
ミツデイワガサの販売時期は、特に決まっていません。
山野草を販売している園芸店で購入できます。
まれに、一般的な園芸店の盆栽コーナーに、小さな盆栽として並んでいることがあります。
確実に苗を購入したい場合は、インターネットで探すとよいでしょう。
ミツデイワガサは、以下のリンクからみつけることができます。
それではまた!
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が、幸せなひと時のお役に立てるとうれしいです。
あなたの今日が、笑顔あふれる素敵な1日でありますように。